『理科系の作文技術』は文章でコミュニケーションを取るチームにオススメの書籍です

開発のoieioiです。このエントリーは木下是雄『理科系の作文技術』を読みましょうという記事です。

前提と問題

開発中は文章をいっぱい書きます。要件、仕様、プルリク、プルリクのレビュー、バグ報告など一日中文章を読み書きしているとさえ言えます。

文章でのコミュニケーションでしばしば起きる問題は、伝えたいことが伝わらなかったり、思っていたのと違うふうに受け取られたり、読むのに時間がかかったりすることです。

『理科系の作文技術』

木下是雄『理科系の作文技術』 は素早く正確に情報を伝える文章とはどんなものかを教えてくれます。国語の時間に重点的に教わる「気持ちを伝える作文」ではなく、「情報を正確に伝える作文」とは何かを知ることができます。

対象とする文章

本書が対象とする文章は次のように定義されます。

  • 他人が読む文章である
  • 事実を伝える文章である
  • 意見を伝える文章である
  • 心情的要素を含まない文章である

本書では上記の定義を満たす文章を「仕事の文書」と呼びます。これは仕様書やプルリクなどシステム開発で書く文章にぴったり当てはまります。反対にメモ書きや小説、詩、手紙の一種などは本書のターゲットではありません。

どんな内容なの?

(a) 主題について述べるべき事実と意見を十分に精選し,
(b)それらを,事実と意見とを峻別しながら,順序よく,明快・簡潔に記述する

木下是雄『理科系の作文技術(リフロー版)中公新書』中央公論新社. Kindle 版. Kindle 位置No.121-122

本書は「仕事の文書」に関して以上の2つを実現するための技術書です。aは何を書くか、bはどう書くかです。あとは本書を読むのが一番早いですけど、本書中で特に重要だと思ったことを書いておきます。

何を書くか

(a) 主題について述べるべき事実と意見を十分に精選し,

  • 主題を明確にする
  • 内容を精選する
    • 書かなくていいことを削ぎ落とす

まずは主題を明確にします。その文章を読むことで読み手に何をさせたいのかを明確にするということです。例えばプルリクなら、目的は「変更内容の共有」と「変更内容が妥当であるかの判断」の二つになります。バグ報告なら、「何が壊れているのか」と「いつ・どう直すかの判断」が主題になり、仕様書なら「要件をどう実現するか」になります。

主題がはっきりしたら、主題を実現するために必要な内容を考えます。基本姿勢は必要のないことは省くことです。必要のないこととは、主題に関係ないことと、読み手がすでに知っていることの2つです。例えば、プルリクを出す相手が機能をよく知るチームメンバーであるなら変更された仕様を詳しく書く必要はないし、反対に読み手が機能を知らない場合は仕様を詳しく書く必要が出てきます。

どう書くか

(b)それらを,事実と意見とを峻別しながら,順序よく,明快・簡潔に記述する

  • 事実と意見をはっきりわけて書く
  • 順序よく書く
  • 明快に書く
  • 簡潔に書く

何を書くか決まったら、実際に書く作業に入ります。

書くときの原則として、事実と意見を分けて書きます。実際に起きたこと・再現可能であることは事実、書き手の判断が入っていることは意見です。意見には「〜〜だと思う」など事実ではないとわかるように書き、読み手が事実と事実でないことを切り分けて受け取れるようにします。

順序よく書くことでもっとも重要なのは、はじめに主題をはっきり提示し、その文書全体を読む必要があるかを判断できるようにすることです。その文書がどんな文書なのか、その文書を読むことで何が得られるのかを短時間で伝えられるようにします。

読みましょう

本書は上記のことがらを具体的なテクニックを示しながら詳しく説明してくれます。本書自体が本書が説明する内容を体現しているので、読みやすいです。

理科系の仕事の文書の大部分は,必要上やむをえず書くもの,または誰かに書かされるものである.

前掲書、Kindle位置No.239-240

めっちゃかっこいい。チェキ!

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